SABICイノベーティブプラスチックス
電気電子用途に向けた環境配慮型「Valox* ENH」樹脂を発表
優れた難燃性や特性を提供

SABICイノベーティブプラスチックスのグローバル・プロダクト・マーケット・ディレクターのヨス・ブラ ットは「電気電子業界向けの難燃性に関する環境規制や基準はますます厳しくなっています。当社の研究開発 プログラムは環境配慮型のソリューションに焦点を当てるなど、画期的な技術開発に継続的に取り組んでいま す。最新のValox ENHグレードは、当社の戦略的な取り組みの一環として難燃性樹脂製品ポートフォリオを拡充 すると共に、世界的な環境規制や自主的な環境ラベルといった顧客企業の成長にとって重要な取り組みをサポ ートします。」と述べた。

臭素・非臭素系の競合製品よりも優れた特性を提供するValox ENH樹脂

通常、難燃性ポリブチレンテレフタレート（PBT）樹脂内のハロゲン含有量を低減するために難燃剤を非臭 素・非塩素系に切り替えた場合、樹脂の機械特性を低下させる恐れがある。しかしSABICイノベーティブプラス チックスの経験豊かな科学技術チームは、見事にこの課題をクリアした。ガラス繊維含有率の異なる最新のVal ox ENH PBT樹脂グレード3種は、非臭素・非塩素系難燃技術を採用しているだけでなく、競合製品の非臭素系難 燃性PBT樹脂と比較してよりバランスのとれた特性を発揮する。これらの新グレードは卓越した延性や耐薬品 性、耐衝撃性に加えて臭素系難燃グレードよりも優れた電気特性や燃焼特性を提供する。全体的に、同新製品 は他の非臭素系難燃PBT樹脂と比べより優れた特性をバランス良く提供する。

最新のValox ENH樹脂グレードは以下の通りである。

• Valox ENH3500 PBT樹脂（無充填）

• Valox ENH4530 PBT樹脂（15%ガラス繊維強化）

• Valox ENH4560 PBT樹脂（30%ガラス繊維強化）

最新のValox ENH樹脂製品3種は、0.8mm厚でUL94 V0基準を満たす。同グレードの比較トラッキング指数 （CTI）は、Valox ENH4530樹脂が500ボルト、Valox ENH3500とValox ENH4560樹脂はそれぞれ600ボルトであり、 通常200ボルト前後のCTIを有する標準の臭素系ガラス繊維強化PBTを大幅に上回る。

これらの無充填およびガラス充填グレードは、電気冷却ファン、リレー、コネクタ、スイッチ、プリンタの 定着器といった用途に使用可能。

環境配慮における新たな側面

Valox ENH樹脂グレードは、SABICイノベーティブプラスチックスのValox iQ*樹脂などのPBT技術を組み合わ せることでより環境性能の高い製品が実現できる。同社のiQ技術は、大量の使用済みペットボトル（PET）を独 自の化学処理プロセスによって、より高機能なPBT樹脂に再生するため「アップサイクル技術」と呼ばれている。 アップサイクル技術は廃棄物を減らすだけでなく、PBT樹脂生産時の二酸化炭酸排出量やエネルギー使用量の低 減に貢献する。Valox iQNH4550は、アップサイクル技術により製造されており、既にSABICイノベーティブプラ スチックスの製品ポートフォリオに含まれている。

今回の最新グレードの追加によってValox ENH樹脂グレードは5種に増え、現在、臭素系難燃性PBTやPETが 使用されている様々な電気電子用途向けに最適である。SABICイノベーティブプラスチックスは、今年末まで に、Valox ENH樹脂製品群にPBT/PETアロイグレードを追加する予定である。

* SABIC Innovative Plastics IP BV の商標です。